らい予防法廃止と憲法改正
⽂明国の仲間⼊りが⼤きな⽬標だった⽇本では、明治・⼤正・昭和と国を挙げての対策が取られ、国⽴療養所を中⼼に⼤規模な隔離政策が⾏われた。終戦後の新憲法下においてもこの⽅針は変わらず、昭和28年にはらい予防法の改正により、規制強化とさらなる適⽤範囲拡⼤が⾏われ、以後43年間多くの⼈権問題を内蔵したまま継続された。この間特効薬の普及により、抗菌剤で治る病気と認識を変えた国際らい学会や、ローマ法王からも、患者の⼈権侵害の事例として名指しで勧告を受けたが、学会や政府の反応は鈍く、改訂および廃⽌の議論は盛り上がらなかった。